香川大学医学部看護学科は、①生命の尊重を基本として、人間に対する高い倫理性と深い思考力をもった看護専門職者、②保健・医療・福祉の進展に柔軟に対応できる科学的判断力と専門技術を備えた看護専門職者、③幅広い視野をもち、地域保健医療や国際貢献の発展に寄与する看護専門職者を育成することを目指します。
教育
在宅では、療養環境を整備することの意義は大きいといえます。居室だけでなく、近隣の環境も含めてアセスメントを行い、適切な環境を整えることで療養者のQOLの維持向上が図られます。
療養の場が変わることで看護の優先度も変わり、自分らしい生活を送ることが最も大切です。そのため、看護師の考える最善の方法が、唯一無二ではないかもしれないことを知っておいていただきたいのです。
在宅看護で提供される看護内容は、療養者個々によって異なり、地域差もあります。その療養者にとって適切な看護とは何かを常に考えながら、学びを深めてほしいと思います。
カリキュラム
1年次は、人間理解に必要となる幅広い視野と知識の獲得のため、全学共通科目(主題科目、学問基礎科目)を中心に学びます。
令和4年度のカリキュラム改変を受けて新たに地域と在宅を統合的に捉える特色ある学びとして設けたさぬきの暮らしと健康実習では、健康的側面を踏まえた、地域の暮らしに触れることができます。
2年次生では、在宅看護学の概要を学ぶため、在宅看護学概論や在宅対象論、家族看護学を履修します。
3年次前期では、在宅援助論として、演習を通して、対象者の健康問題を解決するための看護過程を展開し、問題解決・課題探求能力を身につけ、後期では在宅看護学実習でその実践を行います。
4年次には統合実習をとおして、少人数に絞り、具体的な課題に取り組み総合的実践力を高めます。さらに看護研究では、在宅看護学領域の視点から、療養者や家族に係わる看護テーマを見出し、問題解決・課題探求能力の向上を図ります。
学年進行表
研究
在宅療養者やその家族介護者を取り巻く様々な現象に着目した研究をしています。
以下は、主として指導してきた(学部卒業論文)研究テーマです。
◆「認知症介護に対する家族の思い」
◆「認知症高齢者の思い-被介護者の立場から-」
◆「在宅認知症高齢者の症状に関する家族介護者の思い~副介護者の協力が得にくい家族に着目して~」
◆「在宅認知症高齢者の急変時対応に関する家族介護者の思い」
◆「認知症高齢者の家族介護者の負担に関する文献検討」
◆「認知症高齢者を介護する家族と地域の連携に関する文献検討」
◆「認知症高齢者の家族介護者に対する支援に関する文献検討」
◆「在宅介護を受ける高齢者の家族介護者に関する文献検討」
◆「在宅で終末期患者を看取ったことによる家族介護者の満足感と必要な支援に関する文献検討」
◆「在宅介護に移行する家族介護者に関する文献検討~入院中から必要な退院支援に焦点を当てて~」